加藤直美ちゃんとの出会いは10年程前だと思う。
  彼女はまだ学生。「オハヨウのムスメ」という劇団の看板女優だった。
  私も当時は「オッホ」という劇団にいた。
  若手劇団の登竜門と言われるガーディアン・ガーデン・フェスティバルの審査会場で出会った。彼女はセーラー服を着て寛一・お宮のような芝居をしていた。会場の皆がその芝居で彼女の持つ雰囲気や可愛さに魅せられていた。審査に通ったのも彼女の魅力による所も大きいと思った。
  その後、大学構内で稽古をしていると、彼女が構内の掲示板などにチラシを張りにきた。「いいなぁ、あんなコと一緒に稽古したい」と男性陣は鼻の下を伸ばしていた。
  一緒に稽古をしている私の立場は無かった。密かにやっかんだりしたものだ。
  だが、彼女は可愛さに胡座をかくタイプでは無かった。おっとりした綺麗どころでいられる筈なのに、実は汚れるのもいとわないパンクな精神の女優さんだったのだ。下ネタばかり言わされて来たハイレグ女優陣にとって、数少なく仲間と思える貴重な女優さんだ。それほど共演もしていないのに、女子飲みと称してつるんでいるのはその為だろう。